ガソリン車の値崩れが止まらない 中国自動車市場で価格体系が機能不全に

中国の自動車業界で深刻な問題が表面化している。ガソリン車(燃油车)の大幅値下げが相次いでいるにもかかわらず、販売不振が改善されず、従来の価格体系そのものが崩壊しかけているのだ。電動車への急速なシフトで、ガソリン車の需要が急落する中、メーカー各社による値引き競争は泥沼化している。

中国の乗用車市場では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)が急速に普及している。2025年時点で新エネルギー車(NEV)の販売比率は市場全体の50%を超え、ガソリン車は二流商品という認識が広がりつつあった。2026年に入ると、その傾向はさらに顕著になった。

ガソリン車メーカーは販売維持を名目に、次々と大幅値下げに踏み切った。しかし値下げが奏功せず、むしろ消費者は「ガソリン車は今後さらに安くなる」という予想で購入を先送りするようになった。この悪循環により、複数社の価格帯が重複し、市場内での差別化が困難になっている。業界関係者の間では「かつての価格体系はもはや機能していない」という認識が広がっているとみられる。

地方メーカーとの過当競争が加速

販売不振に苦しむのは地場の中堅・小規模メーカーである。上海汽車集団(SAIC)傘下のブランドや吉利汽車(Geely)など、NEV開発で後れを取ったメーカーが、既存のガソリン車在庫を抱え、強引な値下げを強いられている。一部のディーラーでは新車を原価割れで販売する事例さえ報告されており、業界全体の利益率が圧迫されている。

高級ブランドも例外ではない。フォルクスワーゲンやトヨタといった外資系メーカーも、中国市場での競争力維持のため値下げを余儀なくされている。かつてのようなプレミアム価格維持は困難になりつつあり、ブランド力だけではガソリン車の販売を支えられない時代が到来したのだ。

中国消費者の購買心理の変化

消費者側でも明らかな変化が起きている。都市部の中産階級を中心に、ガソリン車購入への躊躇感が強まっている。充電インフラの整備進展により、NEVへの不安感が減少したことが背景にあるとみられる。加えて、ガソリン車の将来的な資産価値下落を懸念する層も増えており、新規購入層のNEVシフトはほぼ決定的になった。

二次流通市場(中古車市場)でもガソリン車の査定額が急落し、所有者の売却意欲が減退する負の連鎖が生じている。中国政府がガソリン車の段階的廃止を方針として打ち出す中、消費者の合理的判断がガ

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