オンライン旅行大手の携程(シェンチョン)が、利用者の苦情に応じる形で大規模な改革に乗り出した。同社は19項目に及ぶ整改措置を発表し、予約システムの透明性向上やカスタマーサービスの強化を約束している。中国のOTA(オンライン旅行代理店)市場で最大手の地位にある携程だが、ここ数年ユーザーから批判が高まっていた。
サービス品質をめぐる長年の課題
携程は中国の旅行予約プラットフォーム市場で圧倒的なシェアを占めているものの、隠れた手数料や予約後の値下げ、解約時の対応の曖昧さなど、消費者からの不満が絶えなかった。SNS上では「携程で予約した後、直接ホテルに連絡するとはるかに安い」といった投稿が繰り返され、プラットフォームへの信頼が蝕まれていた。2024年から2025年にかけて、複数の消費者団体が携程の商慣行に異議を唱え、メディアでも批判報道が相次いでいた。
今回発表された19項目の整改措置は、こうした批判への直接的な応答とみられる。価格表示の簡潔化、キャンセル規定の明確化、カスタマーサービスへの24時間対応などが含まれているとされる。中国の消費者保護法が強化される傾向にあり、政府も大手プラットフォームの不透明な商慣行に対し目を光らせている状況下での決定である。
競争激化と当局圧力
中国のOTA市場では美団(メイトゥアン)やマートリップなどの競合他社が勢力を伸ばし、携程の優位性が揺らぎ始めている。同時に、市場監督管理総局などの当局が電子商取引プラットフォームの規制を強める動きも活発化している。携程の今回の施策は、市場での競争力維持と当局対応の両面から必要とされた判断と考えられる。
改革の実効性が本当に機能するかは、今後のユーザー評価と市場動向から判断される。中国の大型プラットフォーム企業は規制強化の時代に適応を迫られており、携程の動きは業界全体のトレンドを反映している。