米国の歯磨き粉大手、中国での「心機商標」が次々と無効化
米国の大手日用品メーカー、コルゲート・パルモリーブ(高露洁)が中国で登録した複数の商標が、知的財産権当局によって無効と宣告された。これらの商標は「心機」というキーワードを含むもので、中国消費者に巧妙に訴求するための戦略的な命名がされていたとみられる。この事例は、外資系企業による中国市場での商標登録戦略に対する規制が強まる動きを象徴している。
「心機」で狙う中国消費者心理
コルゲートが中国で展開する製品ラインには「心機シリーズ」という呼称の商品が複数存在する。「心機」は文字通りには「心の機微」「密かな心遣い」といった意味で、中国消費者の心理に深く訴求する表現として使用されてきた。特に化粧品や日用品業界では、このような心理的共感を呼ぶ命名が市場競争の重要な要素となっており、多くの企業が似たアプローチを採用している。しかし中国当局は、同じ語句を複数の商品に適用することで、市場を過度に占有しようとする試みと判断したと考えられる。これは単なる商標登録の問題ではなく、公正な競争環境を維持するための政策判断を示すものである。
中国知識産権制度の変わる基準
中国の知的財産権当局は近年、外資系企業による戦略的な商標登録に対して厳格な審査を実施している。特に「心機」のような文化的共感を狙った一般的な言葉を複数登録する行為は、他社の市場参入を阻害するものとして批判されていた。このような背景下での無効宣告は、中国当局が市場の多様性と中国国内企業の競争機会を優先する姿勢を明確にしたものである。外資系企業であっても、中国市場での商標戦略は今後より慎重な検討が求められるようになるだろう。国内企業にとっては、似た命名戦略の採用がより容易になる可能性も生まれている。
中国市場での知識産権をめぐる規制環境の変化は、今後の外資企業の事業戦略に大きな影響を与えることになりそうだ。