中国のエンタメ検閲が加速 ラテン音楽パフォーマンスが規制対象に

中国のショート動画プラットフォームやSNSで、ラテン音楽アーティストのシャキーラ(Shakira)によるパフォーマンス映像が削除される事例が相次いでいる。文化娯楽業界を監視する当局が、欧米の音楽コンテンツの中でも特に腰を振る振付や露出度の高い表現を「低俗」と判定し、配信制限を強化しているとみられる。これは習近平(习近平)政権が進める文化規制の新たな段階を示すもので、グローバルなエンタメ消費の在り方にも影響を与えはじめている。

厳しくなる「道徳的基準」の線引き

中国国家広播電視総局は2024年以降、動画配信プラットフォームに対して「社会的価値観に反する表現」の排除を求める通達を強化してきた。今回の規制対象となっているのは、ヒップホップやラテン音楽における腰の動きを強調した振付や衣装である。プラットフォーム側は当局の指針に従う形で、該当動画を非表示にしたり削除したりする対応を取っている。ユーザーからは「音楽芸術の表現の自由を制限している」という批判も出ているが、プラットフォーム側は公式には言及していない。

海外エンタメへの締め付けが加速

この動きは中国国内のコンテンツ制作者だけでなく、海外の音楽やダンス関連の映像配信にも波及している。TikTok(抖音)やWechat(微信)などの大手プラットフォームでは、欧米のポップシンガーやダンサーのパフォーマンス動画が次々と対象になっているとされる。若い世代を中心に海外文化への関心が高まる中での規制強化であり、中国社会内での文化ナショナリズムの傾向を反映した政策判断とも考えられる。当局の基準がどこまで拡大するかが、今後の中国エンタメ市場の競争環境に影響を与えるだろう。

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