中国教育改革が新しい段階に入った。習近平(习近平)政権は基礎教育の「拡大と質的向上」を掲げ、義務教育段階での取り組みを加速させている。この「推進基礎教育扡優提質」は、単なる学校運営の効率化ではなく、中国社会全体の人口減少と経済構造の転換に対応した戦略として機能し始めている。

教育格差縮小への執念

中国の基礎教育は過去20年で量的な拡大を遂行してきた。都市部と農村部の就学率格差は大幅に改善されたものの、教育の質的差は依然として深刻である。都市部の名門校と地方の小規模校の間には、教師の資質から教育設備まで圧倒的な開きが存在する。当局は「扡優」(優秀化)を通じて、この質的ギャップを是正する必要に迫られている。具体的には教師の配置を平準化し、デジタル教材の共有化、地方校への予算配分増加が進められているとみられる。地方の農民層からも都市部への出稼ぎ労働者からも、子どもに質の高い教育を受けさせたいという要求は強い。その声が政策を動かしている。

少子化時代への対応

中国の出生数は2022年に初めて減少に転じ、以来低下傾向が続いている。人口減少社会の到来は教育セクターに構造的な危機をもたらす。過剰な学校施設、過剰な教員数といった問題が顕在化する一方で、より多くの資源を子ども一人ひとりに集中させるチャンスでもある。「提質」は単に教育内容の充実ではなく、限られた生徒数の中でいかに人材育成の効率を高めるかという実務的な課題でもある。経済的な回収率を意識した教育投資の再構築が進行中であり、その中核に基礎教育改革がある。国家競争力を左右する人材育成という文脈で、当局の危機感は本物である。

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