SNS上のデマ拡散で逮捕 中国当局が強硬姿勢
中国でSNS上に投稿された虚偽情報が社会不安を招いたとして、6月中旬に2人が身柄を拘束される事案が発生した。拘束された容疑は、女子学生が自動車に連れ去られるという根拠のないデマを意図的に拡散させたというもの。この事件は、中国社会でSNS時代のデマ対策がいかに重要視されているかを改めて浮き彫りにしている。
虚偽投稿が生み出した混乱
拘束された2人は、特定の地域で「女学生が運転手付きの車に強制的に連れ去られた」という根拠のない情報をSNスに投稿した。この投稿は瞬く間に拡散し、数千から数万の転載を呼び込んだとみられる。保護者たちの不安が急速に高まり、学校周辺には警戒の雰囲気が漂った。当初は真実と信じた利用者の二次拡散により、情報は加速度的に広がっていった。
中国ではスマートフォンの普及率が9割を超え、微博(ウェイボー)や微信(ウィーチャット)といった大型SNsプラットフォームの影響力は絶大だ。特に子どもの安全に関する情報は、親たちの間で検証なしに急速に共有される傾向が強い。今回のケースでは、社会不安を意図的に製造しようとした悪質性が強調されている。
当局の厳格な対応姿勢
中国公安当局による今回の逮捕は、SNS上のデマ拡散に対する「ゼロトレランス」政策の現れといえる。当局は虚偽情報による社会秩序乱用罪の適用を視野に入れ、迅速な身柄確保に踏み切った。過去数年間、中国では食品安全やテロ、感染症に関する根拠なき投稿について何千件もの取り締まりが実行されている。
習近平(习近平)政権下では、ネット情報の監視・管理を「社会ガバナンスの重要課題」と位置づけており、プラットフォーム企業側にも通報義務を課している。今回の事件は、個人利用者であっても厳しく対処する姿勢を示す警告メッセージとして機能している可能性がある。中国社会における信用体系の構築と、デマ対策の間で当局が重きを置く課題が明確に表れた事例といえるだろう。