中国のSNS上で「フィリピンよ、一体何をしたいのか」というフレーズが急速に広がっている。南シナ海をめぐる領土問題の緊張が高まる中、この問いかけは中国国内の対フィリピン感情を象徴する表現として機能している。背景には、フィリピンの親米姿勢とそれに対する中国指導部の不満が深く関わっているとみられる。

南シナ海での衝突が相次ぐ

フィリピンは近年、米国との防衛協力を強化し、南シナ海での活動を活発化させている。中国が実効支配する島礁周辺での補給活動やパトロールを増やし、中国海警局との船舶衝突事件も頻発している。中国側からすれば、一度は対話姿勢を見せていたフィリピンが米国の影響下で対抗的になったことが、極度の不信感を生み出しているのだ。このジレンマが「何をしたいのか」という問いになって表現されている。

国内世論の分裂と政治的圧力

中国国内では強硬論が優勢になりつつある。若い世代を中心にSNSでの激しい批判が増え、当局もこうした世論の動向を無視しにくくなっている。同時に習近平(习近平)政権としても、フィリピンへの経済的影響力や外交チャネルが限定的であることが、歯がゆさを増幅させているようだ。軍事的な圧力強化と経済制裁のバランスを取りながら対応する難しさが、国内の不満につながっている。

フィリピン側も国内の対中感情が悪化する中で、政策転換は容易ではない状況にある。両国関係は当面、緊張と一時的な緩和を繰り返しながら進展するとみられ、その過程で中国国内の議論はさらに激化する可能性がある。

関連動画