中国の国務院(内閣に相当)が7万億元(約140兆円)規模の産業育成計画を正式承認した。このニュースは中国経済が低成長局面に直面するなか、次の成長エンジンをどこに求めるかという国家戦略の転換を示す重要な決定だ。承認文書(国务院批复)という形式は、地方政府や企業による事業計画に対する中央政府の公式な許可を意味し、莫大な資金配分と政策的支援を伴う。

「新興産業」への一本化戦略

この7万億元規模の産業とは、電動車産業の拡大、再生可能エネルギー、半導体・AI関連産業の育成を軸とするものとみられる。習近平(習近平)政権は「科学技術自立自強」を掲げ、米国との技術競争に勝つための産業構造転換を推し進めている。過去10年間の不動産バブル依存から脱却し、イノベーション産業へのシフトが急務だった背景がある。国務院の批復により、中央財政と地方債を通じた巨額投資が正当化され、企業の設備投資や研究開発も加速するだろう。

地域経済格差の拡大リスク

しかし大規模産業計画の推進には、地域差の問題が伴う。北京、上海、深圳などの沿海部と内陸地域では、技術基盤や人材の集中度が大きく異なるためだ。政府は均衡発展をうたいながらも、実際には成長率の高い地域への資源配分が優先される傾向が強い。また7万億元という投資規模は地方政府債務の急増を招き、金融リスクへの懸念も生じている。当局がどこまで持続可能な形で投資を実行できるかが、今後3~5年の中国経済を左右する重要な要素となる。

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