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中方回应北约涉格陵兰岛言论
📰 ニュース概要
1月22日、中国外交部の郭嘉昆報道官が定例記者会見で、北大西洋条約機構(NATO)報道官のグリーンランドに関する発言に反論した。郭報道官は「いわゆる『中国脅威論』は全く根拠がない。中国は一貫して国連憲章の趣旨と原則に基づいて国家間関係を処理することを主張しており、根拠のないでっち上げや、中国を私利私欲追求の口実にすることに反対する」と述べた。
この発言は、NATO報道官が前日に「NATO事務総長ルッテ氏がトランプ米大統領と北極の安全保障問題について実りある会談を行った」と発表し、「デンマーク、グリーンランド、米国が交渉を行い、ロシアと中国がグリーンランドで経済的または軍事的拠点を永久に獲得できないようにすることを目指す」と述べたことに対する反応だ。中国外交部は、この種の言説が中国を標的にして西側の利益を正当化しようとする試みだと批判した。
グリーンランド問題は、トランプ米大統領が再選後、デンマークの自治領であるグリーンランドの「取得」に強い関心を示したことから国際的な注目を集めている。トランプ氏は「米国の国家安全保障と世界の自由のために、グリーンランドの所有と管理は絶対的必要性だ」と主張し、武力行使や経済的圧力も排除しないとの姿勢を示してきた。デンマーク政府とグリーンランド自治政府は、主権は交渉の対象ではないと強く反発している。
グリーンランドは世界最大の島で、面積約216万平方キロメートル(日本の約6倍)、人口わずか5万6000人。デンマーク王国の自治領として高度な自治権を持つが、外交・防衛はデンマークが管轄する。戦略的重要性は極めて高く、①北極航路の要衝、②豊富な希土類元素(レアアース)など鉱物資源、③米国のチューレ空軍基地(北極圏における米軍最北端の基地)の存在、④気候変動による北極海氷の融解で航行可能海域が拡大、などの理由から地政学的価値が急上昇している。
トランプ氏がグリーンランドに執着する背景には、中国とロシアの北極進出への警戒感がある。中国は2018年に「北極政策白書」を発表し、自らを「近北極国家(Near-Arctic State)」と位置づけ、「氷上のシルクロード」構想の下で北極航路開発や資源開発への関与を強めてきた。中国企業は過去にグリーンランドでの鉱山開発プロジェクトや空港建設への投資を試みたが、デンマークと米国の圧力で頓挫した経緯がある。ロシアも北極海沿岸に軍事基地を拡充し、北極圏での影響力拡大を図っている。
今回のNATO報道官の発言は、こうした文脈の中で「中国とロシアの脅威」を名目に、米国のグリーンランド介入を正当化しようとする試みと見られる。しかし中国外交部は、これを「中国脅威論」のでっち上げだと一蹴した。郭嘉昆報道官は「中国は国連憲章の趣旨と原則に基づいて国家間関係を処理する」と強調し、主権尊重、領土保全、内政不干渉という国際法の基本原則を堅持する姿勢を示した。
中国の北極政策は、公式には「尊重、協力、ウィンウィン、持続可能」の四原則に基づくとされる。具体的には、北極諸国の主権と主権的権利を尊重し、科学研究、環境保護、航路開発、資源開発などで国際協力を推進するというものだ。中国は北極評議会(Arctic Council)のオブザーバー国として、気候変動研究や環境モニタリングに参加してきた。また、中国極地研究センターは北極科学観測基地を運営し、砕氷船「雪龍」「雪龍2」を北極海に派遣して調査活動を行っている。
しかし西側諸国、特に米国は、中国の北極進出を「軍事的野心の表れ」と警戒する。米国防総省の報告書は、中国が北極での軍事プレゼンスを拡大し、将来的には潜水艦の活動海域として利用する可能性があると指摘してきた。また、中国が北極航路を「第二のシーレーン」として確保し、米国やNATOの海上交通線を脅かす懸念も表明されている。グリーンランドの鉱物資源、特にハイテク産業に不可欠な希土類元素が中国の手に渡ることへの危機感も強い。
デンマーク政府は、米国と中国の間で微妙な立場に置かれている。NATO加盟国として米国との同盟関係を重視する一方、グリーンランドの主権を守り、自治政府の意向を尊重する必要がある。デンマークのフレデリクセン首相は「グリーンランドはデンマークのものではなく、グリーンランド人のものだ」と繰り返し述べ、売却や譲渡は論外だと強調してきた。グリーンランド自治政府のエゲデ首相も「我々は売り物ではない」と明言し、将来的な完全独立を視野に入れている。
グリーンランド独立の動きは、この問題をさらに複雑にしている。グリーンランドは経済的にデンマークからの補助金(年間約6億ドル、グリーンランド財政の約6割)に依存しており、独立すれば財政基盤が脆弱になる。しかし、豊富な鉱物資源や漁業資源を自ら管理できれば、経済的自立も不可能ではない。中国や他の国々からの投資は、独立派にとって魅力的な選択肢となりうるが、同時に外部勢力への従属リスクも伴う。米国はこの点に着目し、グリーンランドへの経済援助やインフラ投資を拡大する方針を示している。
今回の中国外交部の反応は、米国主導の「中国封じ込め」戦略への警戒を反映している。米国は近年、インド太平洋戦略、AUKUS(米英豪安全保障枠組み)、クアッド(日米豪印)などを通じて中国を包囲する態勢を強化してきた。北極も新たな競争の場となりつつあり、グリーンランド問題はその一環と位置づけられる。中国にとって、あらゆる地域で「中国脅威論」を理由に排除される構図は、受け入れがたいものだ。
国際法的には、トランプ氏のグリーンランド取得発言は国連憲章違反の可能性がある。国連憲章第2条は「主権平等」「武力による威嚇または武力の行使の禁止」を明記しており、他国領土を武力で奪取したり、経済的圧力で主権を侵害したりすることは許されない。デンマークは主権国家として、グリーンランドに対する管轄権を持ち、いかなる国もこれを一方的に侵害することはできない。中国が「国連憲章の趣旨と原則」を強調したのは、この点を念頭に置いたものだ。
専門家は、グリーンランド問題が今後の国際秩序に与える影響を懸念している。もし米国が実際に武力や強制的手段でグリーンランドを取得しようとすれば、第二次世界大戦後の国際法秩序の根幹が揺らぐ。「力による現状変更」を許せば、南シナ海、台湾海峡、ウクライナなど、あらゆる紛争地域で同様の論理が正当化されかねない。中国が「国連憲章の原則」を繰り返すのは、この点で米国と同じ土俵に立つことを避ける戦略でもある。
一方で、中国の北極進出が全く無害とは言えない側面もある。中国は「平和的科学研究」を強調するが、軍民融合政策の下で、民間の科学活動が軍事目的に転用される懸念は消えない。また、中国が北極諸国との二国間関係を強化し、経済援助や投資を通じて影響力を拡大していることも事実だ。アイスランド、ノルウェー、ロシアなどとの協力関係は、北極ガバナンスにおける中国の発言力を高めている。
今後の展開として、米国とデンマークの交渉が注目される。トランプ政権は、グリーンランドへの投資拡大、軍事プレゼンスの強化、デンマークへの圧力などを組み合わせた戦略を取る可能性がある。デンマークは、NATOの枠組みの中で米国との関係を維持しつつ、グリーンランドの主権を守るという困難な綱渡りを迫られる。グリーンランド自治政府は、この状況を利用して独立への道を模索するかもしれない。
中国にとって、グリーンランド問題は直接的な利害関係は限定的だが、象徴的意義は大きい。「中国脅威論」が世界のあらゆる場所で米国の行動を正当化する口実に使われることへの反発は強い。中国は今後も、国際法と多国間主義を盾に、米国の一方的行動を批判し続けるだろう。同時に、北極での「平和的協力」をアピールし、西側の警戒を和らげる努力も続けると見られる。グリーンランド問題は、米中対立が地球上のあらゆる地域に波及している現実を浮き彫りにしている。
💬 中国SNSの反応
- 「何でもかんでも中国のせいにするな。グリーンランドなんて関係ない」
- 「米国の覇権主義がまた出た。デンマークは屈しないでほしい」
- 「中国脅威論、もう聞き飽きた。でっち上げもいい加減にしろ」
- 「北極の資源、みんなで協力開発すればいいじゃないか」
- 「トランプは本当に何でも力ずくだな。国際法無視」
- 「グリーンランド人が可哀想。自分たちの意思が無視されてる」
- 「NATO拡大の口実に中国を使うな」
- 「米国が本当に怖いのは、自分の覇権が崩れることだろ」
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