🇨🇳 原文タイトル
大国合作从大有可为到大有作为
📰 ニュース概要
2026年1月29日、習近平国家主席は北京で、公式訪問で訪中した英国のキア・スターマー首相と会見した。習主席は会見で「中国は英国と共に大きな歴史観を持ち、相違を超えて相互尊重し、中英協力の『大有可為(大いに可能性がある)』という潜在力を『大有作為(大いに実績を上げる)』という成果に転換させ、中英関係と協力の新局面を開き、両国人民に幸福をもたらすとともに世界にも恩恵を与えたい」と述べた。この「大有可為から大有作為へ」というフレーズは、中国メディアで大きく取り上げられ、中国外交の新たなスローガンとして注目を集めている。
スターマー首相の訪中は、英国首相として8年ぶりとなる。前回の英国首相訪中は2018年1月のテリーザ・メイ首相で、その後、ボリス・ジョンソン、リズ・トラス、リシ・スナク各政権では首相レベルの訪中は実現しなかった。特にジョンソン、トラス両政権は対中強硬姿勢を取り、英中関係は「黄金時代」(2015年キャメロン首相時代のスローガン)から大きく後退していた。スターマー政権は2024年7月に発足後、「対中関係の再構築」を掲げ、今回の訪中が実現した形だ。スターマー首相に随行した代表団は約60名の企業・文化界代表を含む大規模なもので、経済関係の強化を重視する姿勢が鮮明だった。
習主席は会見で「現在の国際情勢は混乱と変化が交錯している。中英は国連安全保障理事会常任理事国であり、世界の主要経済体でもある。世界の平和と安定を維持する上でも、両国の経済と民生を促進する上でも、対話と協力を強化する必要がある」と強調した。さらに「国家と人民の根本的利益に合致する正しいことであれば、指導者は困難を避けず、勇往邁進すべきだ」とも述べ、政治的リスクを冒してでも関係改善を進める意思を示した。この発言は、国内の保守派や対中強硬派からの批判を覚悟の上で訪中したスターマー首相への支持表明とも受け取られている。
今回の会見で注目されたのは、習主席が使用した「大有可為」から「大有作為」への転換というフレーズだ。「大有可為」は「大いに可能性がある」「やれることがたくさんある」という意味で、潜在力や将来性を強調する表現。一方、「大有作為」は「大いに実績を上げる」「大きな成果を達成する」という意味で、具体的な行動と結果を重視する表現だ。習主席は、中英関係がこれまでの「可能性を語る段階」から「実際に成果を出す段階」へと移行すべきだと訴えたことになる。中国外交の専門家は、この表現が今後、中国と他の西側諸国との関係にも適用される可能性があると指摘している。
実際、2026年1月だけで、習主席は4人の西側諸国首脳と会見している。1月上旬にはアイルランドのミホル・マーティン首相、カナダのマーク・カーニー首相、フィンランドのペトテリ・オルポ首相が相次いで訪中し、1月29日のスターマー首相で4人目となった。これは異例の頻度で、「百年未有の大変局」(習主席が頻繁に使う表現で、米中対立を含む国際秩序の大転換を指す)の中で、西側諸国が中国との対話と協力を重視し始めていることを示している。中国外交部の汪文斌報道官は1月30日の定例会見で「これは中国が責任ある大国として一貫して堅持してきた姿勢と担当の表れだ」と述べた。
中英両国が会見で合意した具体的な協力分野は多岐にわたる。①貿易・投資:英国企業の対中投資環境の改善、中国企業の英国進出支援、金融サービス分野での協力拡大。②気候変動:再生可能エネルギー、カーボンニュートラル技術、グリーンファイナンスでの協力。③科学技術:人工知能(AI)、量子コンピューティング、バイオテクノロジー分野での共同研究。④教育・文化:留学生交流の拡大、文化イベントの相互開催、観光促進。⑤グローバルガバナンス:国連、G20、IMFなどの多国間枠組みでの協調。中国メディアは、これらの合意を「『大有可為』から『大有作為』への具体的なロードマップ」と評価している。
しかし、中英関係には依然として大きな障壁が存在する。第一に、人権問題だ。英国は香港の民主化運動弾圧、新疆ウイグル自治区の人権状況、チベット問題などについて懸念を表明してきた。スターマー首相も訪中前の記者会見で「英国の価値観を妥協しない」と述べており、会見でもこれらの問題を提起したとされる(ただし中国側は詳細を公表していない)。第二に、安全保障上の懸念だ。英国は2020年、中国通信機器大手ファーウェイの5Gネットワークからの排除を決定。また、中国の産業スパイ活動、サイバー攻撃への警戒も強めている。第三に、台湾問題だ。中国は「一つの中国」原則の遵守を求めており、英国が台湾との関係を強化することに強く反対している。
英国国内の反応は分かれている。労働党政権の支持者や経済界は「中国との関係改善は英国経済にとって不可欠」として歓迎。特に、Brexit(EU離脱)後の英国は新たな貿易相手を必要としており、中国市場へのアクセス拡大への期待が高い。一方、保守党や人権団体からは「独裁政権への迎合」との批判も出ている。保守党のイアン・ダンカン・スミス元党首は「スターマー首相は経済的利益のために英国の価値観を売り渡した」と非難した。英国メディアも、『ガーディアン』紙は「慎重な関与は必要」と比較的肯定的だが、『デイリー・テレグラフ』紙は「中国への危険な接近」と批判的だ。
米国の反応も注目される。バイデン政権は、同盟国に対して中国への「デカップリング(切り離し)」ではなく「デリスキング(リスク低減)」を求めてきた。つまり、完全な断絶ではなく、安全保障上の懸念がある分野(半導体、AI、量子技術など)では中国との協力を制限しつつ、その他の分野では関係を維持するという方針だ。英国の今回の動きは、この「デリスキング」の範囲内と見なされる可能性が高い。ただし、2025年1月20日に発足したトランプ第2期政権の対中政策は不透明で、より強硬な姿勢を取る可能性もある。その場合、英国は米国と中国の間でバランスを取ることが一層困難になるだろう。
中国側の狙いも複層的だ。第一に、経済的利益。中国経済は2024~2025年、不動産危機、若年失業率の高止まり、輸出の減速などで成長が鈍化しており、外国投資と技術の導入が急務となっている。英国は金融、製薬、高級消費財などの分野で強みを持ち、中国にとって魅力的なパートナーだ。第二に、外交的孤立の回避。米国主導の対中包囲網(QUAD、AUKUS、チップ4同盟など)に対抗し、西側諸国の中に「中国との協力を選ぶ国」を増やすことで、孤立を防ぎたい。第三に、多極化の推進。米国一極支配の国際秩序を崩し、中国を含む多極世界を実現するという長期戦略の一環。英国のような影響力のある国が中国に接近することは、この戦略に資する。
「大有可為から大有作為へ」というスローガンは、習近平外交の新たな段階を象徴している可能性がある。習主席は2012年の就任以来、「中華民族の偉大な復興」「人類運命共同体」「一帯一路」など、壮大なビジョンを掲げてきた。しかし、米中対立の激化、コロナ後の経済減速、国内の統制強化などにより、これらのビジョンの実現は困難に直面している。「大有可為」はビジョンを語る段階、「大有作為」は実際に成果を出す段階と解釈できる。習主席は、西側諸国との実務的協力を通じて、具体的な外交成果を積み上げ、国内外での求心力を維持したいと考えている可能性がある。
今後の展開として、中国と他の西側諸国(フランス、ドイツ、オーストラリアなど)との関係改善も進む可能性がある。特に、2026年はG20サミット(ブラジル開催)、APEC首脳会議(ペルー開催)など重要な国際会議が予定されており、習主席が各国首脳と会談する機会が増える。中国外交の専門家は「2026年は『大有作為の年』になるかもしれない」と予測している。ただし、台湾問題、南シナ海問題、人権問題など根深い対立が解消されたわけではなく、「大有作為」への道のりは平坦ではない。中英関係を含む大国間協力が、本当に「可能性」から「実績」へと転換できるのか──2026年の国際政治の最大の注目点の一つとなるだろう。
💬 中国SNSの反応
- 「大有可為から大有作為へ、この表現すごくいい。口先だけじゃなく実行が大事」
- 「英国首相8年ぶり訪中か。やっぱり経済には勝てないんだな」
- 「西側も結局、中国市場がないと成り立たないってわかってるんだよ」
- 「でも人権問題とか台湾問題で妥協しないでほしい。核心的利益は譲れない」
- 「1月だけで4カ国首脳来訪とか、中国外交すごすぎる」
- 「米国が嫌がってるの想像すると面白い。同盟国が中国に来ちゃってるw」
- 「実際に成果出るかが問題。スローガンだけじゃ意味ない」
- 「英国は信用できない。昔アヘン戦争仕掛けてきた国だぞ」
- 「経済協力はいいけど、技術流出には気をつけないと」
- 「大有作為の年にしよう!中国の復興は止められない」
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