SNS上で親の目を逃れ、子どもたちが大量購入する菓子が中毒を引き起こす事例が中国で相次いでいる。問題となっているのは「吧唧」(バージ)という小型の舌をぺろぺろなめる菓子で、主に低年齢層に人気がある。ある女の子が寝室に大量に隠し持っていた事例がメディアで報じられ、親の監督不行き届きや子どもの依存性について議論が巻き起こっている。
問題の実態と化学成分の危険性
「吧唧」は一本あたり数元の廉価な舐め菓子で、外見は棒状の包装に入った小型製品だ。中国の短動画プラットフォームでは子どもがこれを連続購入・隠蔵する動画が多数投稿されており、販売店での売上が急増しているとみられる。保護者からの懸念の声があがるのは、製品に含まれる着色料や香料の過剰摂取が子どもの神経系に影響を及ぼす可能性があるためだ。医学専門家によると、このような菓子に含まれる化学物質の多量摂取は、注意散漫や睡眠障害、さらには神経毒性を引き起こす危険性があるという。子どもの発育段階では許容量が大人より低いため、わずかな積み重ねでも健康被害に至る可能性が指摘されている。
消費心理とデジタル文化の影響
子どもたちがなぜこうした菓子に執着するのかという背景には、中国の消費主義とSNS文化の浸透がある。短動画アプリで「大量買い」や「隠蔵」の動画がバイラルすることで、同調圧力が働き購買欲求が増幅される構図だ。月々のお小遣いを全て投じたり、親に内緒で少額決済を重ねたりする子どもも多いとみられる。都市部の富裕層の子どもが特に傾向を示しており、親の経済的余裕が過度な消費を助長している側面もある。学校教育では消費リテラシーや依存症対策がまだ不十分であり、親世代の警戒心も十分でない地域が多い。
当局と業界への圧力
オンライン販売プラットフォームの監視強化を求める声が高まっており、一部の電子商取引企業は未成年者への販売制限を検討し始めている。ただ実効性については疑問も残る。業界全体としての自主規制ルール策定が急務となっており、子ども向け製品の成分表示基準の見直しも議論されている。中国政府は未成年者保護に関心を示す傾向にあり、このような健康被害事例が積み重なれば、菓子業界への規制強化につながる可能性も考えられる。