高考を終えた娘が建設作業で学費を稼ぐ――中国の教育費負担が浮き彫りに
中国の短動画プラットフォームで、高校卒業試験「高考」(ガオカオ)を終えた娘が、建設作業で学費を稼ぐため母親と一緒に重い荷物を運ぶ動画が拡散している。このトレンド投稿は、大学進学を控えた若年層の家計負担の深刻さと、都市部と地方の経済格差を象徴する出来事として中国社会で注目を集めている。
高考後の現実――若者たちの選択
高考は中国の大学進学を決める唯一の試験で、毎年1000万人以上が受験する。合格した高校生の多くは大学進学を目指すが、4年間の学費と生活費は莫大だ。公立大学でも年間5000~1万元(約10万~20万円)の学費に加え、寮費や教科書代がかかる。都市部の上位大学となれば年1~2万元を超えることも珍しくない。
多くの家庭では両親が建設労働や出稼ぎで学費を工面しているのが現状だ。娘が高考を終えた直後から親子で肉体労働に従事する事例は、中国の農村部や低所得家庭では実は一般的とされている。今回の動画がSNSで話題になったのは、この光景が多くの親世代の共感を呼んだからだと考えられる。
貧富格差と教育機会の不平等
中国政府は高等教育の拡大を掲げ、ここ20年で大学進学率を大幅に引き上げた。しかし教育ローン制度の未発達により、学費は家族が直接負担する必要がある。都市部と農村部の所得格差が4倍近くある中で、進学の機会は依然として家計に左右されやすい状況が続いている。
こうした構造的問題に対し、中国国内のネット上では「教育費負担の軽減を急ぐべき」という議論が高まっている。親世代の労働搾取と若年層の将来への不安が同時に映し出される動画は、社会問題としての「教育の不平等」を改めて認識させる契機となった。当局による教育格差是正の施策強化が今後の焦点となる。
関連動画