中国のSNS上で、AI技術を使った「音声チャット」サービスが急速に普及している。わずか15元(約300円)で数百万個のトークンを購入し、AIとの会話を楽しむというサービスが若者層を中心に話題を集めている。その一方で、ユーザーから「『こんにちは』とつぶやくだけで5万元(約100万円)の費用が発生した」という驚愕の報告が相次いでおり、課金システムの不透明さが大きな問題となっている。

破格の価格設定と急速な普及

このAIチャットサービスは、主に動画配信プラットフォームやアプリストアを通じて提供されている。「15元で数百万トークン」という謳い文句は、既存のChatGPPやClaudeといった国際的なAIサービスと比較して圧倒的に安価であり、若い世代を中心に爆発的な人気を集めた。トークンとはAI利用時の単位で、回数や文字数に応じて消費される。この異常な安さから、多くの学生や低所得層のユーザーが殺到し、短期間で利用者数が数千万人規模に達したとみられる。

不透明な課金システムが生む被害

しかし利用が広がるにつれ、ユーザーから驚くべき報告が増え始めた。「『你好』(こんにちは)という短い一文を送信しただけで、5万元の請求が来た」というケースが複数確認されている。これは通常のトークン消費量から比べて異常な額である。調査によると、一部のサービスプロバイダーは課金基準を意図的に不明確にしたり、バグを装って高額請求を行ったりしている疑いがあるとされている。中国のネット上では詐欺的な商慣行ではないかという批判が噴出し、消費者保護に関する議論が急速に高まっている。

規制当局への圧力

ユーザーの被害報告が大量に投稿されるなか、工業情報化部など中国の規制当局に対する苦情件数も増加しているとみられる。AI産業の急速な成長に追いつく形で、課金システムの透明性やユーザー保護に関する新たなガイドラインが必要だという指摘も業界内から上がり始めている。当局の対応が今後の焦点となるだろう。

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